これからの社会を考えるとき、「サステナビリティ(持続可能性)」がどうして重要なのかと言うと、地球の資源は有限だからです。有限だからこそ人口が増加するに従い水や食料の需要が高まったときに、将来的には供給が追いつかず不足することが予想されています。その上、現代社会は、大量に物を消費しゴミを排出して環境を汚しています。そうなれば汚染された土地では作物を育てることが出来なくなりますし、水は飲み水には適さなくなり状況はますます悪化します。それに、汚れた水が海に流れ込めば、魚や貝などの海洋資源への影響も懸念されます。また石油や石炭などの資源も消費していけば、残された量が少なくなるでしょう。このように人間は自分が住む地球を汚していくことで、住みにくい世界へと変えているのが現実です。
そこで「サステナビリティ(持続可能性)」という考えの出番です。この言葉には資源を消費し環境を汚染する社会を転換するだけでなく、現在そして将来の経済活動や文明を維持するという意味を持っています。このような考え方は「エコロジー的近代化」とも呼ばれており、非常に注目されています。
環境保護というと、100年前、200年間の生活に戻ればいいという意見もありますが、消費が衰えれば会社は存続できず従業員は家族を養うことがことが出来ませんし、新しい技術を開発するための投資も行えません。そのまま進めば、別の意味で文明が衰退してしまうでしょう。
環境保護と経済活動を両立できるというサステナビリティを、世界の国や企業が推し進めていけば人間は進化しながらも次の世代が暮らす地球を守ることができます。では、具合的にサステナビリティというのはどういう活動をしていけばいいのかということで、食品の包装などに使っているプラスチックを、生分解性(自然界で微生物が分解できる)プラスチックに置き換えたり、住宅でつかう材料に有害な物質を使わないといった取り組みがあります。赤字であれば企業はこういった取り組みをすぐにやめてしまうでしょうが、利益をだせれば長く続けることができます。