石油や石炭といった天然資源は、人類を発展させるために大きな貢献をしてきました。しかし人類の発展に寄与すると同時に、さまざまな問題を引き起こしているのも石油や石炭です。たとえば電力を発電するときに石油や石炭を使うと、二酸化炭素を排出します。

二酸化炭素の濃度が高くなることによって地球の環境にも大きな悪影響を及ぼし、温暖化の原因ともいわれています。温暖化による悪影響は海面上昇や異常気象など、さまざまな問題に繋がっています。また石油や石炭などの天然資源は、地球の環境を破壊することだけが問題ではありません。地中から採掘する天然資源なので、地球に埋蔵されている量には限りがあります。世界中で油田やガス田などが見つかり、また新しい採掘技術によって完全に枯渇するまでの期間は延びていますが、それでもいずれは地球上から消えてしまう可能性があります。もしこれからも石油や石炭を使い続けていて枯渇してしまったら、人類の持続的な発展はできなくなるでしょう。
サステナビリティな社会をこれからも続けていくためには、環境に負荷をかけず再生可能なエネルギーへの転換が求められています。再生可能エネルギーとは、自然界に存在しているエネルギーのことを指します。自然界に存在しているので二酸化炭素を排出せず地球の環境に悪影響を与えない、枯渇する心配がないといった特徴を兼ね備えており、どこにでも存在しているのも特徴です。具体的には風力・太陽光・地熱・バイオマスといったエネルギーのことを指しており、サステナビリティな社会を作るために注目を集め続けています。世界では天然資源からの転換が進められており、特に積極的に行われているのがヨーロッパ諸国です。
ヨーロッパの国々では石油や石炭といった火力発電を縮小したり禁止したりしながら、化石燃料を使った発電のシェアは下がりつつあります。
その一方風力や太陽光といった自然の力を借りた発電のシェアは年々増加しており、広がり続けているのが現状です。世界的には脱化石燃料の流れが加速していますが、その流れに遅れているのが日本です。日本はヨーロッパで評判が悪い石炭火力発電所を増やすことを計画しており、世界中から批判されています。再生可能エネルギーへの転換が遅れている日本にとって、急激に方針を転換し変えていくのは難しいでしょう。しかしサステナビリティ社会をこれから作っていくためには、大胆な方針転換が必要とされています。