“風力発電というのは風の力を利用して発電機を動かし、そこで電気を作るという方法です。これは太陽光発電と同じ再生可能エネルギーに属していて、化石燃料のように発電することで二酸化炭素が発生することがなく、環境に全く負荷を生じないクリーンエネルギーになっています。原型はオランダに古くからある風車であり、これは風の力を使って風車が回転することで石臼を動かすということですが、現在の風力発電も基本的な原理は同じです。

風力発電を行うためには常に一定の風が吹いているということが条件になっていて、海風が活用できる海岸に建設されるとが多くなっています。ここで問題になるのは塩水に含まれている塩分であり、発電に使われる機器は当然に塩害を防ぐための対策は講じられていますが、どうしても耐久年数に限りがあるのでメンテナンスが欠かせません。また海岸であれば台風による影響も受けやすく、どれだけ丈夫な構造であっても台風のような強風では発電ができないどころか、風車に強い力が加わることで破損してしまう可能性もあるでしょう。そのために内陸部に設置するのが最適なのですが、風力発電で必要な電力を発生するには一定の大きさが必要になってしまい、簡単には設置できないという問題が常に起きています。
日本は資源の乏しい国で、発電に必要な地下資源はほとんどを外国からの輸入に依存しています。一度でも大きな停電が起きると現在のように電気に頼った生活を行っている現代人では大混乱を起こすだけで、地下資源の輸入が制限されてしまうと大きな問題に発展してしまうことは間違いありません。代替エネルギーで植物から生成できるバイオ燃料が期待されていますが、それよりも環境に影響を与えない再生可能エネルギーを活用する方が最適です。
太陽光にしても風にしても自然が作り出す再生可能エネルギーは無限に得られる資源であり、これを上手に使うことが将来の電力事情に大きな変化を与えるでしょう。今は太陽光発電の方が発電効率などの関係で重視されていますが、波の動きを使った波力や地熱を使った地熱発電と共に、風力も貴重な発電方法で効率のいい使い方が求められています。ただし風力というのは地域性や地形でその状態が変化してしまいますし、いつも同じ状態を続けてくれるとは限りません。現在は少ない風力でも効率よく発電できる機器の開発が急がれていて、太陽光発電に続く再生可能エネルギーで利用するために注目されています。”